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ハァハァと肩で息をしながら周りを見るが、浴衣姿の女性が多く、人も思っていたよりもいて見分けがつかない……
どうしよう。
男が遅れるなんてありえないよなー!
しかも誘ったの俺なのに!!!
近くのベンチに座り込んでキョロキョロと周りを見渡していると、「冷たっ!」と頬に何かが当たる。
「来ないかと思っちゃった」
渡されたのは缶ビール。
ありがとうと言ってプルタブを開けて、ゴクゴクと勢いよく飲む。
「ごめん、急いだんだけど……待たせるなんて」
「連絡してくれたらよかったのに」
そうだよ!
なんでしなかったんだ俺のバカヤロー!
「急いでてそれどころじゃなくて……ごめんね」
「平気。来てくれると思ってたし」
花火までまだあるから、屋台を見ていこうと言われ立ち上がり、その後ろ姿に釘付けになる。
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