夢の続きは現実で

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 寝苦しさのせいで、あんな夢を見たのだろう。  夢の中でも、築30年を過ぎたコンクリート住宅の自宅で寝ていた。現実世界と同じように寝苦しかった。  しかし、腹部だけが異様に重い。寝返りを打とうにも重さが邪魔をして、体が動かせない。  恐る恐る瞼を開けた。黒いモヤのかかった物体が乗っている。大きさ的に4・5歳ほどの子供くらいだろうか。顔は見えない。頭と胴体があるのは何となくシルエットで分かる。  何を発するでもなく、黒い影は人の腹部に乗り続けている。  しばらくして、物体は消えた。見知らぬ老婆が部屋に現れた。普通なら「誰!? 何で、勝手に家に入ってるの!?」と叫ぶ場面だが、夢のため状況をすんなり受け入れ、老婆と親しげに会話を始めた。 「おや、アンタにも見えたのかい」 「さっきの黒い影ですか?」 「そう! あれには気をつけなさいよ」 「どうしてですか?」 「……【現実】まで追っかけてくるからだよ」 「え?」  老婆は消え、私は突然夢から覚めた。
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