労働場所は時に出会いをもたらす

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労働場所は時に出会いをもたらす

時は戻り、大学3年になる直前に家庭の事情というのもあって実家通いから独り暮らしをすることになり都内に住むことになった。実家は田舎だったので、初めてくる都内は興奮することもあったが同時に不安もあった。 「はぁー、独り暮らしって何かと不安だよなー」と独り言をぼやきながらスマホを手に取る。「とりあえず近場あたりのファミレスでバイトしないと遊ぶかねもほしいし、なにより生活が怖いからな」と思いながらバイトを探す海翔。 「お!」と声に出して画面を見る。 歩いて5分くらいのとこにファミレスがあり時給も悪くない。「とりあえずこのファミレスに電話してみっか」と軽い感じに掛けてみた。 数分後、電話が終わると「ふぅー」と軽いため息をついた海翔は「思ったより早く決まりそうだな」ボソッと呟いた。 それから3日後、スマイルというファミレスに入り面接をし、今は人手少ないからと店長が言いその日に採用が決まった。「まさかその日に決まるとはなーラッキーだけど笑」とその日は呆気ない感じに終わった。 採用が決まってから5日後初バイトの日ががやってきた。 「初めまして!今日からアルバイトでお世話になり早乙女海翔です!よろしくお願いします!」と従業員達に挨拶をした。その横にもう一人女の子が並んでいてその子も挨拶をする。「初めまして!今日からお世話になります柊澄鈴です!よろしくお願いします!」と笑顔で挨拶をしていた。 この子も今日からなんだと横顔を見ていると、その視線に気づいた澄鈴が「お互いがんばりましょうね」とニコと笑いながら海翔に話しかけてきた。 海翔は少し緊張しながら「えっと、はい、よろしくです」と少し照れながら返すのであった。
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