労働場所は時に出会いをもたらす

4/5
前へ
/62ページ
次へ
5分ほど歩くと大きなマンションが見えてきた。 「もしかしてこの大きなマンションが柊さんの住んでるとこ?」と海翔が見上げながら澄鈴に質問をした。「そうなの!親が過保護でさ~オートロックのとこじゃなきゃダメ!って言うから駅からそこそこ近いこのマンションにしたの」 いい親だなーと思いつつ海翔は澄鈴にマンションの中に案内された。 すぐに部屋に案内されるかと思いきや部屋の前で立ち止まっている。すると突然「ごめん!5分いや10分くらい外で待ってて!」と澄鈴は言い海翔は外で待つことになった。中からはバタバタと慌ててる様子が分かるような物音。「~~これはこっちにおいて~・・・あ!これは見られちゃダメだダメだ!あーもうちゃんと掃除しとくんだった~」と最後に泣きべそまでいかないがそんな声が聞こえてきた。 そして10分立たないくらいに扉が開き「ど、どうぞ」と海翔に声をかけ部屋に案内した。 「お邪魔します。(おお!これが柊さんの部屋!)」と思いつつ中に入る。「あんましじろじろ見ないでよ!」と澄鈴は恥ずかしながら海翔に話す。「ごめんごめん。なんか女の子部屋って初めてだからさ」海翔は少しだけ申し訳ないような感じで謝った。「そうなんだ?少し意外だなー。早乙女君モテそうだし彼女とかいたりしなかったの?」と普段話してるような感じで澄鈴は海翔に話しかけた。 「いや、全然。彼女とかいたことないし、モテないし、大学でも全然だし・・俺なんかに彼女とか無理だよ」と急に海翔は自分を否定し始めた。 「そんなことないよ!早乙女君は話すと感じいいし優しいし。それに・・・カッコ」とまた最後の方が声のトーンが下がり聞こえなくなる。「カッコ?ああ!格好のことか!俺ファッションとかも疎いからさー適当なんだよね。」と言ったとこで澄鈴が「違う!~~恥ずかしいから1回だけ言うね。店の前で助けてくれた早乙女君はカッコよかったです・・」と顔真っ赤にして澄鈴は話す。「それともう一度ちゃんとお礼をするね!助けてくれてありがとうございました」少し照れながら笑顔でお礼をする澄鈴。 「いや、あれはなんか無我夢中で・・そのちょっとムカッときてというか」と今度は海翔が声のトーンが下がりながら話す。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加