2人が本棚に入れています
本棚に追加
シーンとまたお互い黙り込んでしまい会話が止まってしまった。
(ヤバイ!なんとか話を切り出さないと。つかなんだこの雰囲気は!告白みたいな感じなるのか?!
いやいやいや落ち着け俺!とにかく今は主旨を思い出せ!)
「ふー」と1つ深呼吸をする海翔。そしてここから本題に入る。
「相談の内容なんだけど、実はここ最近頭痛?みたいなのに悩まされててさ。風邪とかの頭痛じゃなくなんかこう頭の奥に響くような感じで。痛みは薬を買ったからそれ飲んで少し立つと引くんだけど・・・」と今自分の身に起きてる事をなんとか伝わるように話す。
澄鈴は海翔が話してる時にボソッと「早乙女君も?」と聞こえない声量で呟いていた。
「痛みは引いた後どうしたの?」と澄鈴は海翔に不安げに聞いた。
「声」
「声?」
「声が聞こえるんだよ微かに。その痛みが出てる時に何度か。初めの頃はただの幻聴かなんかかとか適当に思ってたんだけど。頭痛が起きる度に聞こえてくるからさすがにオカシイと思って・・・でもこんな話する人なんていないし親にも話せるわけないし。
それで、その柊さんならバイトとかよく話すし相談してみようかなと思って」
しばらく黙って聞いていた澄鈴は海翔に声について聞き出した。
「その声ってさ、女の子の声で途切れ途切れかもだけど助けてって聞こえなかった?」
海翔はなんでそれを!と言わんばかりの驚いた表情で澄鈴を見る。
「ははは、まさかこんな偶然があるなんてね。あたしも聞こえてるのその声。それと頭痛もバイト始めて辺りからかな?」
「ま、じか。こんな話し絶対信じないだろうと思ってた。こんな奇跡な偶然なんて起こるのか」
二人は再び沈黙した。
「はー。でもほんとなんなんだろうね。手掛かりは頭痛の時に声が微かに聞こえるだけだしね」と澄鈴は海翔に話す。
「とにかく今はその声がハッキリと聞こえてくるまでなにも出来ないってことだな。医者に言っても多分信じないだろうし」
「そだね」と返す澄鈴だがもちろんいつもの笑顔はない。
「とりあえずなにか食べよっか?待ってて簡単に作っちゃうから」とキッチンの方に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!