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「えぇ――っ、合コン!? 忍がぁ!?」
夫――田浦忍（たうらしのぶ）、三十二歳との食事中の事。突然合コンと聞き、妻――田浦早紀（たうらさき）、二十九歳の女性は、大声を張り上げた。
忍は黒髪短髪で、ふんわりとしたストレートのボリュームのある髪型が特徴の男性。眼鏡をかけた丸く優しそうな眼差しは、彼の性格の良さが滲み出ている。一方妻の早紀は夫の忍と対照的で、明るく元気な女性だった。赤系ブラウンショコラ色の髪を肩の辺りまで伸ばし、目が大きくはっきりとした顔立ちで、表裏の無いさっぱりとした性格の持ち主だ。
「うん。人数合わせで仕方なく。行きたくないけど、アラサー婚活に協力してくれ、って頼まれちゃってさ。大丈夫。相手の女性に、俺には早紀がいるってハッキリ言うし、定時には帰るから」
「定時って････仕事じゃないんだから」思わず苦笑が漏れた。
忍と早紀は同じ出版社に勤めている。忍の部署は編集、早紀の部署は制作だ。社内恋愛の末、結婚してもう間もなく二年になる。幸せな結婚生活も順調だが、子供が出来ない事に密かに早紀は悩んでいた。
夜の営みもお互いに好き合っているので普通にある。避妊もしていないのに、何故か子供が出来ないのだ。
早紀は自分に原因があるのかと悩んでいる。しかし病院に行って確かめる勇気も無い。この前も生理が来てしまって、肩を落としたところだ。
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