ACT22.許されぬ想い

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 年末だから特に仕事は多忙を極めたが、太陽との約束があるので早紀はいつも以上に仕事を早く終わらせた。急な案件も入らないので、今日も定時で帰れそうだ。  スマートフォンを取り出して、忍から今日の弁当について何か連絡は無いかと思ったが、何のメッセージも入っていない事に落胆した。  少しでも忍が連絡をくれないか、という淡い期待も込めていた。弁当の中に忍への簡単な手紙も入れておいたのだ。  それを見ても、残念だが忍の固い意志は変わらない様だ。弁当如きでは、彼の気分を変える事は出来ないのだろう。  仕方ないか、と思った。食べてくれてさえいればいい、と。別に弁当の味の感想や礼を求めているわけでは無いのだ。却って迷惑になっていないか、と逆に心配になった。  それより、太陽との約束だ。本当に自宅へ来るつもりなのだろうか。  かなり憂鬱な気分だ。  もしも、万が一、という事もある。彼も男だし、自分も女なのだ。間違いが起きたりしないだろうか。忍の留守中に――そこまで考えて、太陽と約束をした事は、随分軽率な行動だったのでは無いかと反省した。  昨日忍と少しだけ話をした時、彼は太陽の事をよく思っていなかった。  太陽君は俺の友達でもないのに――そうハッキリと忍は言った。  
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