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これは、女子会しなきゃ――早紀は考えた。
会社の同僚であり同じ歳の親友、九条奈々(くじょうなな)に、たっぷり話を聞いてもらおう。そんな親友の部署は営業部。奈々は潤んだ大きな目が特徴的で、切りそろえられた前髪にふんわりとした明るい栗色のショートボブヘア。まるで人形のように愛らしい容姿で男受けをする上、物腰柔らかで営業の成績は抜群だ。彼女に営業されると大抵の男なら契約が取れそうな程、喋りも上手く、気が付くと彼女のペースに乗せられているのが大半だ。
大人しく上品、かつ可愛らしい女性の奈々と、百七十二センチの長身で気が強く、男勝りな性格で正反対の早紀だがウマが合い、年齢も同じ故、親友としての関係を続けている。
子供がいない分、女子会をしても誰にも迷惑が掛からないから、忍が合コンに駆り出されるという日、こちらも奈々と飲みに行こう――と、早紀は考えた。例え遅くなっても、忍の夕飯の支度をしなくても良いのだ。
「合コン、何時行くの?」
「明後日」
「明後日!? 急ねぇ」
「うん。急に仕事入ったから企画者が行けなくなったって、今日俺に相談があったんだ。ええーっと、ナントカ太陽君。確か、早紀と同じ部署じゃなかった?」
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