ACT03.悪い女

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 奈々は、昔から人のものが欲しくて堪らなくなる性格なのだ。自己愛欲が人一倍強く、何でも一番で無いと気が済まない。  絶対に自分より劣る女に、負けたままでは終われない。  奪って手に入れたら、飽きてすぐ捨ててしまうのに。  たとえそれが、他人の玩具でも、男であったとしても同じように。  どんな風に忍を、早紀を苦しめてやろうかな。  明るく人のいい、自分の事を親友だと信じて疑っていない彼女の顔が、裏切りを知り、苦痛に歪む事を想像すると心が高揚した。  早くその顔が見たいとさえ願っている。  親友のフリなんかする茶番は、もうこれでお終い。せいせいする。  とことん追い詰めて、壊してやる! ――恨むなら、完璧な女に敗北の烙印を焼き付けた、貴女の夫を恨んでね。  
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