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「そんな恥ずかしい写真なんか、撮影してませーん。画像なんて無いわよーだ」
「恥ずかしいって自覚はあるんだな。安心だ。じゃ、今日帰って自撮りな。で、それを俺に送れよ?」
「絶対お断り! 死んでも太陽なんかには見せませーん」
小競り合いを打ち切って、早紀は早々に太陽のデスクから立ち去った。
本当に腹が立つ男だ。もう少し何とかならないのか。彼を好きになる女がいたら、お目にかかりたいものだ。
この調子では、合コン行っても確実に失敗するから逆に行かなくて良かったのではないか、の嫌味ひとつ言ってやれば良かった。
まあ、初対面の可愛い女の子になら、こんな暴言吐かないか、と思い直す。
爽やかな太陽を想像して、早紀は吹き出しそうになった。良く知った彼には全く似合っていなかった。名前だけは爽やかなのに。
身長の低い可愛い女の子をエスコートする長身の太陽を想像してみた。黙っていれば少し怖そうだけれど、イケメンだからこの際そこは目を瞑っても良いだろう。何気に気配り出来るし、仕事も出来るし、あの暴言吐きさえなければ、彼がホンキを出せばすぐ彼女位できそうなものだけど。
おひとり様だから、僻んで何かと絡まれるのだ。早くカワイイ彼女でも作ってくれれば、この暴言からも解放されるのかと思うと、やっぱり合コン行けば良かったのに、と思い直した。そしたら忍も巻き込まれず、既婚者なのに合コンなんか行かなくて済んだのに。
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