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もう一人が谷村葵(たにむらあおい)と言い、他の女性よりも背の高い、細いが筋肉質でショートカットの元気の良い女性だった。早紀と雰囲気が近い女性だと思った。葵は剛の知り合いのようで、声を掛けてくれたようだった。
最後に奈々が挨拶した。
この四人の女性、タイプは違うが全員綺麗な女性で、特に奈々の美しさは際立っていた。合コンレベルで言うと、かなり高いと思う。この女性陣のレベルの高さに、守が大喜びしているのは間違いないだろう。
折角付き合ったのだから、先ずはこの中の誰かと守が上手く行くよう、見守ろうと忍は思った。
付き合ってやった礼は、今度たっぷりしてもらう。会社近くのうな丼屋の特上ランチで手を打ってやろうじゃないか。それくらいは奢って貰ってもバチは当たらない。
考えていると、生ビールが到着した。乾杯して適当に話出した。
やはり自分から声を掛けるのは得意で無いから、忍は他の人間が会話をしているのを黙って聞いていた。
どこの会社にお勤めですか、何歳ですか、年収――近頃のコンパでは年収まで聞くのか――と思いながら忍は運ばれてきた料理を食べながら聞いた。
まあ、二十代前半の大学サークルのコンパとは訳が違うか。女性の方も二十代後半となると、結婚を意識して男と付き合うだろうから、それなりに年収のいい男をチャンスがあるうちに捕まえておきたいというのが本音だろう。
愛だけじゃ生活は出来ないもんな――考えて思わず苦笑しそうになった。女性はしっかりしている。
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