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それからも合コンは順調に進み、程よく緊張も解け、それぞれが楽しく会話が出来る程度までになったところで、お開きの時間となった。
聞く所によると、奈々も数合わせにつき合ってくれたようだ。直前に一人、女性の都合がつかなくなってしまった為、守が必死に社内の独身女性に声を掛け倒したらしい。奈々も丁度打ち合わせが先方の都合でなくなってしまったので、急遽飛び入り参加する事となり、守と一緒に開始ギリギリの到着になったようだ。
「二次会行く人―?」
打ち解けたので敬語も無くなり、守が普段の調子を出してノリよく尋ねた。勿論忍は断った。早く帰ってメイドの早紀とイチャイチャする――それを楽しみに今日は頑張ったのだが、合コン中に届いた早紀からのLineのメッセージを見て、とてもガッカリしたのだ。仕事で大切なデータが消えるというトラブルに遭い、彼女は会社で未だに残業中だ。
帰ってもメイド早紀はいない。かといって二次会までとてもつき合えないから、帰宅を選択した。
「あ、あの・・・・私も今日は帰らせて頂きます。すみません」
奈々が申し訳なさそうに忍の帰宅チームに加わった。
「えー、奈々ちゃんも二次会行こうよー」
守が口を尖らせた。「折角なのにさぁー。もっと皆と仲良くなろうよ」
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