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高久さんは約束通りに10時に迎えに来てくれて私は少しだけ胸の痛みを感じながら歩き始めた。
何処に行きたい、と言うのが無いので考えていると私が悩んでいるのに気付いたのか高久さんは買い物に連れて行ってくれた。
色々と選んでいたので一つで良いと言うと不満そうな顔をしながら私の首に手を伸ばした。
「ネックレス?」
「と、言うよりペアリングに近い物です。私と色違いですね」
良く見てみると、ネックレスにはリングらしき物が付いていて私には青色の小さな宝石が付いていて高久さんのには赤色の宝石が付いていた。
でも、これって・・・・・・。
「あの・・・高久さんが青色じゃありませんか?」
「貴方と一緒に居られる気がするので、赤色が良いんです。だから、付き合って居る間は着けていてくれませんか?」
「付き合ってる間・・・」
「いつかは、ココに着けられるように頑張ります」
そう言って高久さんは私の手を取ると右手の薬指にチュッとキスをした。
顔が熱くなるのが分かるが、優しく微笑む高久さんは私なんかには勿体なく今すぐにでも本当の事を話さないといけないのに・・・・・・
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