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朝方、高久さんはやっぱり迎えに来てくれていて挨拶をするとフワッと抱き締めてくれた。
冷えていた身体が暖まる気がして黙っていると高久さんは困ったような嬉しいような表情で私を見るとゆっくり身体を離した。
「他の男にはこんな事させないで下さいよ?」
「は、はい。分かりました。」
「そろそろ、行きましょうか・・・っと、身体が冷たいですね」
高久さんは私の手を握ると温めるようにして包んでくれた。
その横顔は少しだけ赤くなっていた。
私が手を離そうとすると、高久さんはさらに強い力で逃がさないとでも言うように強く優しく握ったまま学校への道を歩いた。
今日の朝は何故か寒くて繋がれた手だけが私と高久さんを、繋いでくれていた。
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