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「あの・・・希望さんって呼んでも良いですか?」
「え?ああ・・・えっと、はい」
「希望さん、今日から宜しくお願いします」
私は状況に付いていけず、イケメンスマイルで手を差し出してくる高久さんの手を握る事しか出来なかった。
***
次の日、溜息をつきながら私は校門を通り過ぎようとしたが後ろから声を掛けられた。
その声の持ち主は、昨日罰ゲームで告白した高久さんで曖昧な笑顔で迎えると、私の顔を見て心配そうに顔を覗き込んできた。
「大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」
「は、はい」
お願いします!優しくしないでください!
胸の奥が痛むので、頼みますからそんな顔で心配しないでくれませんか・・・・・・心配してくれてるのか高久さんは私の額に手を当ててきた。
あれ?高久さんって、こんなに優しいんだ。もっと冷たいと勝手に思ってた・・・失礼だったな・・・
「希望さん、無理はしない下さいね?」
「・・・わ、分かってます」
「どうかしましたか?先程よりも、顔色が・・・」
「っ、先に行きますね!!」
「え・・・希望さん!」
何度か後ろから声が掛かったが罪悪感で胸が痛んでそれどころでは無かった。
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