始まりは、突然に

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「おはよー!」     「おはよう」       いつもと変わらぬ通学路。     いつもと変わらぬ校門。     いつもと変わらぬ朝……       「はぁー! 今日も日本は平和だねぇ…」     「平和なのはお前の頭だ!」     「お、先生」       いつの間にか幹也の前にいた生徒達はおらず、代わりに生徒指導の楠本がいた。   ちなみに、彼は生徒の間(幹也)では、ゴリ本と呼ばれている。       「月曜から遅刻とはなかなかいい度胸してるな、佐藤」     「いやぁ~、今日は目覚ましの電池が切れててさ……」     「その言い訳は何回目だ。新しいの考えて来い」       しまった…このネタは使いすぎたか……   と、幹也は改めて自分の遅刻の多さに関心した。       「じゃあ……人を喰う化け物に襲われてた可愛い女の子を助けてました」     「アニメの見過ぎだ。言ってて恥ずかしくないのか」     「あはは、少し……」       楠本が呆れ顔をしてため息をついた時、校内にチャイムが鳴り響いた。       キーンコーン………       ちなみにこれが鳴り終わる前に教室に入ってないと遅刻だ。       「やべぇ!! じゃあねゴリ本!!」    「コラ! 隠れて言えよ!!」       幹也は駆け足で靴を履き替えると、階段を駆け上った。       「全く……」       楠本はもう見慣れた光景を見るかのように幹也を見送ると、自分も職員室の方に向かって歩いて行った。
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