始まりは、突然に

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「そういえば、化学の田中先生が放課後に化学室の掃除を手伝ってほしいって言ってたが…   丁度いい、仲よさそうだし、佐藤、矢野、お前ら2人行け」     「はぁ!? なんでオレが…」     「そうですよ先生!」       いいぞ秋奈…ハゲ杉にどんどん言ってやれ!     と幹也が心の中で応援していると……       「私はやりたくないです! 佐藤君1人にやらせてください」       「そうそ……はぁー!?」         こうして、幹也は放課後、1人で化学室の掃除を手伝うコトになった。           そして、放課後……           「いやー! 助かるよ佐藤君!」     「いえ! 教師に楽させるのが生徒の仕事ですから!」         来た! これで一学期の理科は貰った!!       幹也が不気味な笑みを浮かべていると……       「そうか! じゃあ後頼んでいいかな! ありがとう!」       「はい! まかせ……えぇー!?」       まさかの今日2度目のノリツッコミ!!       驚く幹也を後目に、田中はさっさと化学室から出て行ってしまった。       「オレの……バカヤロー!!」       幹也は自分以外誰もいない広い教室で叫んだ。           「はぁ……」幹也(半泣き)が1人で化学室の掃除をしていると、       「あらあら~まだ掃除してるんだぁ…しかも1人で…♪」       何度も聞いたコトのある弾みのある声が、化学室に響いた。
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