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──現在、午後10時──
「ありがと!じゃあねー!」
「また明日な」
秋奈は家に入って行った。
「チクショウあの女!!
かなりの長距離家まで送ってやったのに手も握らせてくれねぇと来たよ!!
……やっぱり下心を隠し過ぎたか……。」
幹也が訳の分からない所でキレていた、その時……
~♪~♪~♪
幹也の携帯が鳴った。
「ん、メールだ…秋奈から」
『今日はありがと♪
幹也がいて心強かったよ☆
それじゃまた明日ね♪♪
明日は遅刻しちゃダメだぞ☆』
幹也の顔が、どんどんニヤケていく……
「……オレ、いい事したな!」
幹也は幸せな気分で夜道を歩いていたが、立ち止まった。
「………ん…?」
幹也が立ち止まったのは、1ヶ月後に取り壊されるコトになった、廃ビル。
「……あれ…?
確かここ、廃ビルのはずだよな…
なんで、明かりがついてるんだ?」
廃ビルに明かりがついているのは、普通は可笑しいハズだ。
噂では不良の溜まり場になってるらしいが。
「そうか……不良が電気つけて、なんかしてるんだな…
正直関わりたくないし、放っとこう」
幹也は廃ビルを通り過ぎようとした。
しかし
ドガアァァ!!
「!!!
………今の、絶対喧嘩…って感じの音じゃないよな…
…………………」
幹也は、吸い寄せられるように廃ビルの中に入っていった。
そして、目にした。
決して表の世界には出られない、裏の世界を。
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