人の問ふまで

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その日は、私の心など知らずに憎いくらいに快晴だった。 空が高くなり、秋が近づいた事を知らせる。 今日から三日間はテストの為に部活は休み。 例の話を直接会ってする勇気は無かった。 自分の部屋でメッセージを送ろう。 そうすれば、泣いても友達に知れる事は無い。 そう思いながら玄関に向かう。 「藤木」 突然腕を掴まれ我に返った。 振り返ると、その腕はやはり芳賀君だった。 恋人として最後の会話。 何を話せばいいのか。言葉に詰まる。 多分、どんなに楽しい話題を振られても今なら泣けそうな気がした。 「テスト勉強、やだね」 「亜希……ちょっと来い」 周りに誰もいない事を確認すると、彼は私の下の名を呼んだ。私の振った言葉に応えることもなく連れて行かれた体育館。 亜希……。 そう呼ばれるだけで決心が鈍る。
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