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エリオが刺すような視線をプロメテウスに送る。
その時、ハッと気がついたリリスは猫のように目を丸くさせた。
「もしかして、君たちは……!?」
「ええ、そうよ。私たちはこことは違う世界──異世界から来たの」
「そんな──そんなことって……」
「信じる信じないはあなたの自由よ」
幾秒かの沈黙が流れる。
暫くして、おずおずとリリスが口を開いた。
「……な、なんのためにこの世界へ?」
「あら。その質問をするということは、信じてくれたのかしら?」
「まだ半信半疑──かな」
「そう。半分も信じてもらえたのなら十分だわ」
言って、エリオは口元を緩めた。
「私の目的は、さっき話した聖剣。それを集めることよ。そのために、幾つもの世界を渡っているの」
「集める……ってことは、この世界の聖剣も!? あ、あげないぞ! エクスカリバーは!」
リリスはエクスカリバーを庇うように抱え、叫んだ。
「馬鹿ね、いらないわよ。何度も言うけど、それは聖剣じゃないもの」
「うう……なんでよ! この世界ではエクスカリバーは伝説の聖剣だってずーっと昔から言われてるんだから! さっき、聖剣は世界に選ばれるって、君も言ってたじゃないか!?」
プロメテウスに顔を寄せ、リリスは声を荒げた。
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