第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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 対して、プロメテウスは落ち着いた様子で答える。 「確かに言ったが……自分で言ってて気づかねえのか?」 「な、何を?」 「その剣は世界に選ばれたんじゃねえ。ただ、人間に選ばれただけなんだよ」 「──ッ!?」  言葉を失うリリス。  エリオは静かに、答えを待った。  ようやくリリスが口を開いたのは、三分ほど経ってからだった。 「君たちの言い分はわかった──けど、やっぱり納得はできない。何か証拠がほしい」 「……物分かりが悪いわね」  無理矢理わからせてやろうかしら……。  エリオは仏頂面で、リリスにジト目を向けた。 「落ち着け、エリオ。短気はお前の欠点だぞ」  エリオの思考を読み取ったプロメテウスが窘める。  一呼吸置き、プロメテウスは言葉を続けた。 「なあ、勇者の姉ちゃんよ。お前は俺から何か波動のようなものを感じるか?」 「波動……? 何も感じないけど……」 「それが証拠だ。聖剣同士は共鳴する。それは聖剣と、聖剣の所有者にしかわからない感覚だ。俺と一緒にいて何も感じないってことは、その剣が聖剣でないことに他ならないんだよ」 「そ、そんなの納得いかない! それは証拠にならないよ!」  憤るリリスに、エリオが問いかける。     
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