第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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「これじゃあ平行線ね。じゃあ、別の視点から話をしましょう」 「別の視点……?」 「ええ。そもそも、どうして聖剣の話をあなたにしたと思う?」 「どうしてって……ウチが君に聞いたから?」  エリオは首を横に振った。 「馬鹿ね、違うわよ。私は聞かれたって基本答えないわ。面倒だもの」 「なら、なんで――」 「それはあなたが勇者で、聖剣の所有者じゃないからよ」 「ど、どういうこと?」 「あなたは勇者だから、当然魔王を討伐しに行くのよね」 「うん、当然だよ!」 「問題はそれよ。あなたが魔王に殺されないように、聖剣の話をしたの。あなたじゃ絶対に魔王には勝てないもの」  顔をしかめるリリス。目を細め、エリオを睨む。 「言ってくれるね。勝てないと言い切る理由は何?」 「……世界は必然でできているのよ」 「え……? 何の話?」  戸惑うリリスに構わず、エリオは続けた。 「力は力を呼び、聖剣と強者は引かれ合うわ。勇者の元に聖剣が無ければ、魔王の元にあるのが――必然よ」 「魔王が聖剣の所有者ってこと?」 「ええ。そして、聖剣使いに勝てるのは同じ聖剣使いだけ。あなたじゃ犬死にするだけだと言ってるのよ」     
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