第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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 エリオが背中に斬撃を受けたのだ。  しかし── 「(かった)ッ!?」  目を丸くさせるリリス。鉱物でも斬ったかのような感触と、無傷のエリオに驚きの色を隠せない。  エリオはゆらりと身を揺らし、不敵に口元を緩めた。 「手にしている間、不滅の体になる。それが、このジークフリートの力よ」 「……硬い体。なに、服の下、筋肉ムキムキなわけ?」 「聖剣の力だって言ってんでしょ、馬鹿」 「カカカッ。エリオ、お前ムキムキだったのか?」  鬼の形相でプロメテウスを睨みつけるエリオ。 「黙りなさい、馬鹿二号」 「ごめんなさい」  プロメテウスは無い口を噤み、黙った。 「フンッ! ウチは騙されないぞ。不滅とか……そんな滅茶苦茶な力、ありえない!」  リリスが叫ぶ。体が再度光に包まれ、エリオの視界から消えた。  ギンッ――  響く斬撃音。エリオの体に、リリスの一撃が叩き込まれる。  しかし、当然無傷。文字通り、傷のひとつも残らない。 「……本当に硬いなあ」 「無駄よ。諦めなさい」 「諦めないよ。斬れるまで、斬りつづける!」  斬る。斬る。斬る。  リリスは不滅の少女を斬り続けた。  対するエリオは、守らない。反撃もしない。  ただ悠然と、攻撃を続けるリリスを見やる。     
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