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小刻みに痙攣を繰り返すその様子から、辛うじて一命は取り留めてることが窺える。
「わかったわね? 聖剣を持たない者に、聖剣使いは倒せないのよ」
痺れで身体の動かないリリスは、唯一動かせる目をエリオへと向けた。その目に映っていたのは、驚愕だった。
「なんで当たるはずのない魔力攻撃が当たったのか、わからねえって顔してるな」
プロメテウスが言うと、リリスは僅かに頷いた。
「……単純な話よ、ゼウスの力は魔法じゃない。ただ、それだけのことよ」
これ以上ない程に、リリスは目を見開いた。
ゆっくりと、パサパサに乾燥した口が動く。
「じゃあ、一体……何?」
消え入るような声でそう聞いた。
エリオは宙を見上げて答えた。
「この世の理を読み解き、扱う力――科学よ」
「かが……く? そんな力……聞いたことも――」
「無くて当然よ。異世界の力だもの」
困惑するリリス。
エリオは構わず言葉を続けた。
「魔法とは違う、科学という力が超発達した世界の聖剣。それがゼウスよ。かの世界では『電磁投射衛星砲』と呼ばれていたわ」
「サテライ……ト……?」
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