第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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 小刻みに痙攣を繰り返すその様子から、辛うじて一命は取り留めてることが窺える。 「わかったわね? 聖剣を持たない者に、聖剣使いは倒せないのよ」  痺れで身体の動かないリリスは、唯一動かせる目をエリオへと向けた。その目に映っていたのは、驚愕だった。 「なんで当たるはずのない魔力攻撃が当たったのか、わからねえって顔してるな」  プロメテウスが言うと、リリスは僅かに頷いた。 「……単純な話よ、ゼウスの力は魔法じゃない。ただ、それだけのことよ」  これ以上ない程に、リリスは目を見開いた。  ゆっくりと、パサパサに乾燥した口が動く。 「じゃあ、一体……何?」  消え入るような声でそう聞いた。  エリオは宙を見上げて答えた。 「この世の(ことわり)を読み解き、扱う力――科学(・・)よ」 「かが……く? そんな力……聞いたことも――」 「無くて当然よ。異世界の力だもの」  困惑するリリス。  エリオは構わず言葉を続けた。 「魔法とは違う、科学という力が超発達した世界の聖剣。それがゼウスよ。かの世界では『電磁投射衛星砲(サテライトレールガン)』と呼ばれていたわ」 「サテライ……ト……?」     
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