第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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第四話 リリス、必然に従う  リリスは地面に這いつくばりながら、苦痛と驚愕と、絶望を味わっていた。  謎の力に、人生初の敗北。現在の状況に、彼女の理解は追いついていなかった。  しかし、リリスは本能で察した。  この子はたぶん……嘘をついていない。  聖剣の存在も、常軌を逸したその力も、エクスカリバーが聖剣でないということも――エリオの語るその全てが事実であろうことを察した。 「さて……戻りなさい、ジークフリート」  エリオがそう口にすると、手にしていた剣が淡い光を放ち、消えた。  確かにウチは間違っていたのかもしれない── 「全く。下らないことに時間を使ってしまったわね」  エリオは首から掛けた古ぼけた懐中時計をワンピースの胸元から取り出し、視線を落とした。  それは、リリスが待ちに待った、千載一遇の好機。 「──だけどッ!」 「……ッ!?」  リリスの身体が光に包まれる。  振り返るエリオの瞳に、リリスの姿は映らない。  何故なら── 「傲ったね……。不滅の剣を仕舞ったのは……悪手だよ」  リリスは既にエクスカリバーの切っ先をエリオの背中に押し当てていた。  光速移動によって、一瞬にしてエリオの背後をとったのだ。     
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