第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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 言い終えたと同時に、手元が光り輝き、一本の細い長剣が発現した。エリオはそれを掴み、向かい来る敵に対し、何もしなかった(・・・・・・・)。  振り下ろされた斧の刃がエリオの肩に触れる。瞬間、鈍い音と共に斧の柄が折れ、全鋼の刃がクルクルと回転しながら弾き跳んだ。  魔物たちが、ありえないものを見るように目を大きく見開いた。  驚くのも無理はない。  エリオは、およそ防具と呼べるものを身に付けていなかったのだ。着ているものは、ただの黒い簡素なワンピースである。 「無駄よ。今の私……不滅(・・)だから」 「戯言を!」  闘牛のような雄たけびをあげ、素手でエリオに殴りかかった。  振り下ろした拳がエリオの顔面に直撃する。鈍い音とともに、ミノタウロスの表情が歪んだ。 「グアアアアアッ!?」 「本物の馬鹿ね。言ったでしょ、不滅だって」 「ふ、不滅……だと?」 「そうよ。今のあなたは、オリハルコンを素手で殴ったようなもの。骨が折れるのは当然でしょ」 「――ッ!?」  ミノタウロスが驚愕を顔に浮かべる。  事実、殴った指の骨が三本折れていたのだ。 「訳のわからぬことを。どんなカラクリかは知らぬが、たかが二回攻撃を防いだぐらいで、人間ごときが我ら魔物に勝てると思うな!」  ……たかが二回、ね。 「なら、試してみなさい」 「何……?」     
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