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半歩遅れてエリオも気づく。
「まさか、連れて行け――とでも言うつもり?」
「うん、その通り。ウチらは行動を共にするために出会った――そう解釈する方が、自然な気がしない?」
「うっ……」
「エリオ。俺は必然論に関しては何も言えねえが、それでも今回は、この勇者の姉ちゃんは筋が通っていると思うぜ」
窘めるプロメテウス。
肩を竦め、エリオは短いため息を吐いた。
「はあ……。仕方ないわね、好きになさい」
「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。よろしくね、エリオ!」
満面の笑みを浮かべ、リリスはそのままバタリと倒れた。
大きな大きな寝息をたてながら。
「ちょ、ちょっと……」
「安心しろ、エリオ。寝かしとけば朝には元気になってるよ」
「はあ……なら、今日はここで休むわ」
エリオは面倒くさそうにため息をはいて、腰を下ろした。
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