第一章 十世界の聖剣を手に入れた少女

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 そう言って、エリオは指にはめたプロメテウスを見せた。 「え……この指輪が喋ったの?」 「そうだよ。指輪が喋っちゃ悪りいか」 「うわっ、本当に喋ってる!? なんなの、これ?」 「真理の聖剣プロメテウスよ」 「聖……()?」  眉をひそめ、首を捻るリリス。 「どうみても指輪じゃん。これのどこが剣なの?」 「まあ、確かに剣ではねえな」 「そうね。剣ではないわね」  リリスが訝しそうな顔をする。 「……君たち、頭大丈夫? 剣だと言ったり、違うと言ったり……」 「馬鹿ね。私は剣だとは言ってないでしょ」 「え……?」 「プロメテウスは──聖剣(・・)だと言ったのよ」  エリオの言葉に、リリスは目をしばたたかせた。 「えっ、ちょっと意味が……」 「ねえ。それ、少し見せてもらえないかしら」 「それって……エクスカリバーのこと?」  戸惑うリリスに構わず、エリオは腰にぶら下がった大剣を指差した。  言われるがままに剣を引き抜くリリス。  両刃の洋刀。金をあしらった、派手な装飾。絵に描いたような、勇者の剣である。 「これは……」 「伝説の聖剣、エクスカリバーだよ。勇者であるウチにぴったりでしょ」 「違うわね」 「ああ、違うな」  声をそろえる二人。  リリスの頭上にクエスションマークが並ぶ。     
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