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「死にてえガキの相手なんざしてられるかよ。見逃してやるからとっとと失せろ。」
「逃げんのかよ。」
「人殺しはしねえ主義でな。死にたきゃ他当たれ。」
なんだか拍子抜けだ。
ふと、ダイチが俺の向こうに何かを見つけた。
「あれ、テメェの客か?」
振り返った先にいたのは、兄だった。
「……何にし来た。」
「お前を探しに来たに決まってるだろ。……どうしたんだ、その傷。」
「いい兄貴じゃねぇか。」
ダイチはそう言って、俺の肩を叩いた。
「お迎えが来たぞ、ガキは帰れ。」
兄が俺の手を握った。何年振りだろう、と不意に思った。
「行くぞ。」
兄に手を引かれて、俺はコンビ二を後にした。
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