自棄

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自棄

よく考えれは気付きそうなものである。 もしかすると、本当は気付いていて、その上で行こうと決めたのかもしれない。 コンビニの前では、不良がたむろしていた。 さっきの連中ではなさそうだった。7、8人といったところか。 「おい、何見てんだよ」 金髪の男が、俺に気付いて言った。 自分の中で、何かが弾ける音がした。 怒りなどではない。ただ無理やり抑えつけられていたものがたまらずあふれ出していった、そんな感じだった。 俺は金髪野郎の胸倉を掴んで、コンビニの壁に叩きつけた。 「っつ!何すんだテメェ!」 「どういうつもりだコラァ!」 「オイ!なんとか言ってみろよ!」 俺は、もう全てがどうでもよくなっていた。自棄になっていたのだ。
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