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モグラのバベは、あの日の素晴らしい真夜中の風景が忘れられなくなった。
周りがいっぱいのホタル達のイルミネーション輝く、心洗われる幻想的な風景をもう一度お目にかかりたくなった。
この暗闇に特化されて、退化したこのモグラの目に焼き付いたこの風景がどうしてもどうしても見たくなって、記憶をもとにモグラのバベは、何度も外から這い出て辺りが真夜中になるのを待ちながら、どんどんどんどん掘り進んだ。
ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!
「あれ?何処だっけ?」
モグラのバベは、あの時掘った時に出てきた石や骨や、人間が捨てて蓄積されたゴミの記憶を思い出し、それらを辿って、どんどんどんどん掘り進んであの時の場所の在りかを探りまくった。
ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!
「あっ!!ここだ!!ここだ!!確か、この何かの容器のある真上だ。」
ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!ざっ!!
ぼすっ。
「何なんだ?この感触は?」
モグラのバベは、真上に掘り進んだ先に柔らかい物が逞しつ鋭い爪に緩衝して、困惑した。
「あれ?この前来た時に、こんなの無かったぞ?よし引っ掻いてやる!!」
モグラのバベは爪をたてて、この立ちふさがる気味悪い柔らかい物を必死に引っ掻いた。
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