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「お客様、恐れ入ります。こちらのカードは只今使用できない状態のようですが」と、言う。
「え、どういうこと?」と答えて、思い出した。先週マッサージチェアを買ったのだ。ポイントをためるため、一旦俺のカードを使ったのだ。値段はカードの限度額ぎりぎりだった。その金を通子から貰っていなかった。
俺は動揺を隠してゆっくりグラスを置いた。
「そうか、うっかりしていた。先週大きな買物をしたのだった。これは現金で払うよ」伝票を受け取った。
ウェイターは待っていたが、「いや、僕が行くよ」と、一緒にキャッシャーに向かった。手持ちの現金だけでは足りないからだ。キャッシャーに、帰りのタクシー代を抜いた現金を渡し、カードと両方で支払う処理を頼んだ。足りなかったらどうしよう、とはらはらした。
さっきまでの興奮は萎えていた。
支払いを済ませ、テーブルへ戻った。真由美は意外とさっぱりとした表情をしていた。様子を見て事情が判ったのだろう。あの妖艶さは消えていた。俺は椅子にかけて、残ったスコッチを飲み干す。
話す言葉がなく戸惑っていると真由美が言った。
「今日はご馳走さまでした」
そして、にっこり笑うと
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