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「努力?」
我ながら素っ頓狂な声が出た。
「好きでもないのにノイローゼになるほど突き詰めるなんて、稀有な才能だよ。その執念を別のものに、あんたが好きだといえるものに注げたら、自信を持ってあたしよりできるって言えるものに、それがなるんじゃない?」
「好きで努力すれば、それは姉貴を超えられるものに昇華する、と」
「そうそう。理解力あんねー。さすがあたしの弟」
姉貴は細くしていた目を更に細くし、歯をちらりと見せて笑った。
それを見て、俺の中から込み上げるものがあった。
悲嘆、絶望。
「……無理だよ」
今更励ましてどうすんだよ。もう遅い。
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