1人が本棚に入れています
本棚に追加
大丈夫か。まともに相手していい相手か?本当に異世界の魔王だったマジでやばくないか?と思い始めた直人だったが、ここまできて引き返せるわけもない。こうなれば第三ルート確定。
とにかく、相手に自分たちでは操作など、できない意思を伝える。
「お客様、本当に魔王様なのですね」
その1:まず相手を肯定する。相手に自分だけは味方なんです、あなたの役にたちたいんですと必死さをアピールする。例え、それが常軌を逸していてもいい。
「お客様 (のゲームキャラ) は強いんですね。素晴らしいですね」
こと、とにかく褒められる所はとことん褒めておく。
相手の気分が変わらないうちに。
「渋い声をお持ちで、羨ましい限りで。僕もお客様のようなお声であれば、威厳も身に付きそうです。それに、ゲームへの高いご意見はとても参考になり、さっそく弊社にて取り入れさせていただきます」
「そうであろう。そうであろう」
こうして、気分が良くなった客に大変申し訳なさそうに言う。
ここ凄く大事なので、二回言うが、大変申し訳なさそうな感じで、かつ丁寧に遠まわしに言う。
「お客様の多大なるご意見を反映させていただきたく存じます。つきましては、お客様からの貴重な意見、誠にありがとうございました」
そう。これでゲームオーバーだ。自称魔王め。直人は心の中でほくそ笑みながら、電話を切る準備をはじめる。
「本日は池田がお受けいたしまし」
「おい、ちょっと待て、その意見が反映されるのはいつだ」
直人は思った。
暇人だなぁ、この魔王。めっちゃ暇人だよこいつ、絶対、異世界とか征服できそうにないよ。
最初のコメントを投稿しよう!