黒いドレッサー

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すぐに救急車を呼び、野田は病院に運ばれた。 出血多量で危険な状態だったが、何とか一命を取り留めた。 俺は、腕を数針縫う程度で済んだ。 あの黒いドレッサーは呪われている。 野田の一件を聞いた従業員やアルバイトは、呪いに怯え何人も辞めていった。 社長に黒いドレッサーの解体をすすめた。 高いアンティーク品だからか、社長はなかなか首を縦には振らなかった。 だが、入院した野田の様子を見て渋々了承した。 野田は入院先の病院で一言も話さず、ただただ天井をじっと見つめているという。 食事も口にせず、鏡を極端に恐れるようになったそうだ。
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