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引き出しを開けると、そこには大量の長い髪の毛と歪な爪の欠片が入っていた。
俺は思わず声を上げ、仰け反った。
だが、大量の髪の毛の隙間から、何か紙切れのようなものが見えた。
俺は長い髪の毛を振り払いながら、その紙切れを取り出した。
それは、セピア色の古い写真。
着飾った女は椅子に腰かけ、男は正装姿で女の肩に手を乗せていた。
何処かの写真屋で撮ったのだろうと思う。
その写真の女は鏡に映る女に良く似ていた。
唇はセピア色でよくわからないが、濃い口紅を塗っているようだった。
俺は写真をそっと引き出しに戻し、また鍵をかけた。
社長には事情を伝え、解体できなかった事を謝った。
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