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その二日後には、家具のほとんどが付き合いのあるリサイクル店に売られていった。
だが残された物もいくつかあり、その中に一つ気になるものがあった。
珍しい丸い鏡のついた黒いドレッサーだ。
よく見ればシミや傷があるが、黒い漆塗りは光沢があり美しかった。
女性は欲しがりそうなものだ。
それが、他の不用品の中に埋もれるように残っていた。
社長に尋ねると、
「店主は黒いドレッサーを見て、最初は気に入って買うつもりだったようだが、他の家具を査定している最中に、突然黒いドレッサーは持ち帰ってくれ」と言ってきたそうだ。
理由は聞いても教えてはくれなかった。
けれど、すぐに卸し先が見つかるだろうからと、しばらく倉庫に置いておくことにしたそうだ。
そういえば、黒いドレッサーの検品をした時、六つある引き出しの一つに鍵がかかっていて、その鍵が見当たらずに開かなかった。
社長が何とかすると言っていたが、結局開ける事が出来ずにそれが原因で断られたのだろうか。
こんなにも形も色も美しいドレッサーだというのに、買い手がつかないなんて勿体ないな。そう思いながら、俺は黒いドレッサーから離れた。
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