落し物NO.3についての考察

5/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「…!…き!みーずーき!!」 「うっせ…」 「あ、起きた。どうした?体調、悪いか?」 「悪くない、けど?」 「そうか?もう放課後だけど。昼飯も食べてないじゃん。」 「え、嘘だろ。」 「本当だ。帰るぞ、なんか心配だわ。」 「いや、1人で帰る。」 「いいから!帰るぞ。」 腕を掴まれて、歩き出す。 「もう、わかったって…。」 「マジでさ、どうしたよ。」 「さぁな」 「さぁって…何かあったら言えよ。」 「うん。」 帰り道、十字路に差し掛かる。 「あ、こっち通りたくない。」 「え?でも、水木の家こっちだろ。」 「そうだけど…昔から嫌なんだ。」 「…わかった。」 昔から嫌な道。 家には近いとわかってるのに、通れない。 「お前の落し物の話。」 「え?」 「前言ってたやつ。」 「あぁ…」 「教えろよ」 「無駄だよ。」 「なんで」 「意味がない。」 「いいのかよ。」 それには答えられなかった。 きっと、意味はあるのだろう。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!