お楽しみ会

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こちら側は最後になるので既に人気ナンバーワンの首はレイで埋め尽くされており、瑠里は首飾りが比較的少ない人を見つけ準備している。 どうしようか迷っていると一座が近くまで歩いて来たが、人気ナンバーワンと目が合うとニッコリと微笑んでこちらに来てくれた。 帯びにもぎっしりとおひねりが挟んであるので、封筒の上に乗せようとしたが、ヒラリと落ち慌てて拾いもう一度挑戦した。 一座がステージに戻り始めているので微妙に焦っていると、封筒ごと手を包んでくれ耳元で『有難うね』と渋い声で囁かれステージに上がって行った。 「カッコいい……仕草もだけど声も良くて、おまけにいい匂いがした」 「おっと、ここにも大衆演劇にハマりそうな餌食が一人増えたね。しかも向こうは完璧でイケメン&イケボで所作は紳士と来たもんだ」 瑠里に冷やかされ溜め息をついて席に着いたが、確かにあんなパフォーマンスするイケメン集団がいたらハマる女性は多そうだ。 きっと普段のスキンケアや香水も高いのを使ってるに違いないし、香らせ方まで抜かりがない気がする。 実際は白塗りだし顔はよく分からないが、私のような不慣れな子の視線もキャッチしリップサービスも忘れない機転、渋い声にいい香りでドキッとしてしまう。 「百合ニャンも彼にハマったんじゃない?」 「いや……素敵な人だとは思うんですけど、追っかけまでする余裕はウチの家計はないですから」 「結構ドライだね、私なら帰りにグッズを売店に買いに行くね、そして手裏剣キーホルダーと風呂敷もゲットする」 忍者探偵に関わらず瑠里は基本オタク気質なので、グッズ系まで集めおまけに年数経てば価値が出るかもとパッケージも開けない。 普段に使いたい物なら二個以上買うのセオリーだが、今まではそんなお金もなかったのでグッズ自体も買えてないだろう。 でも今はチマチマと買いあさっているみたいだし、職場にもファンが多いので情報交換もしているに違いない。 「それこそ向こうの思うツボじゃん、まぁ売り上げに貢献って意味では買うのがいいんだろうけど、王子のオヤツ代に当てた方が喜ばれる」 「姉さんらしいね」 「じゃあ百合、出待ち見に行かない?」 一旦戻ってティータイムになるかと思ったが、エピナルさんに手を引かれたので、瑠里達に先に行ってもらう事にして別れた。
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