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「あの、僕はこの場に慣れてないんで良かったらもう少しお付き合い頂いでもよろしいですか?」
「私も初めて来たんで慣れてないです、でもあそこのシュークリームとマカロンは美味しかったですよ」
「わぁ、食べたいな!」
甘い物が好きなのかテンションがアガッているようなので、二人でスイーツコーナーに移動するとジュリスは何個もシュークリームを皿に乗せ頬張っていた。
『なんか……桜舞みたい』
狐の世界のスイーツ馬鹿と一緒にしたら申し訳ないが、顔立ちといい雰囲気といい、容姿だけなら狛さんよりも桜舞の方が近いかもしれない。
シュークリームを食べながら芝居の稽古の話を聞いたり、半年に一度オーディションもあり、審査が厳しいので残るのは五人から多くても八人位らしい。
座長は毎度審査員として参加し、芝居の合間を縫って凄い人だと褒めちぎっているので、憧れの人に違いない。
「人気スターも居るから移動も大変なんじゃない?」
「イゼールさん達は別行動なんだよ、ファンに囲まれすぎるから誰か影武者役したり、寝泊まりする場所も違うし……早くああなりたいけど」
「きっとなれますよ、既にスターオーラ出てますもん!」
嬉しそうにお礼を言ってくれるが、お世辞でも何でもなく『職業アイドル又は人気俳優さんです』と言われても納得されるに違いない。
ガーニョの使いの人が来て『役者さん達に挨拶します?』と聞かれたので、ちょっと焦り気味に頷き、ジュリスと一緒に部屋を出た。
来客用なのか外の景色が綺麗に見える部屋に案内されると、先程はよく見えなかったイケメン達が軽食を手にお辞儀をしてくれる。
恐らくあの場では食事も出来ないだろうというガーニョの配慮だと思うが、イケメン三人はリラックスした様子でガーニョと話したり、飲み食いを楽しんでいた。
ジュリスとはここで別れ一人の男性の元に走って行くので、恐らく彼が座長だと思われる。
年齢でいえば何となく虎の世界の獺祭位だが、イカツさは微塵もなく大人の魅力漂う感じでイタリアの男性風かもしれない。
食事に誘われても嫌な気にならないし、挨拶代わりにデートに誘えそうで、社長にも少しモテオーラを分けてあげたい感じだ。
ガーニョと話をしている男性も背の高いイケメンだし、こちらに微笑みながら近づいて来る青年もモデルオーラが半端ない。
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