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私には“サヤ”という物心ついた時からの幼馴染みが居ます。
彼女は目がパッチリしていて、肌が白く、美人で、私以外の人には、見えません。
いつもサヤと遊んでいたので大人達から一人遊びが上手か、少しおかしな子供だと思われていました。
四六時中と言っていいほどくっついて来ていたサヤですが、私が中学生になると、着替え中の部屋やお風呂場にだけは入って来なくなりました。
高校1年生の時、私に初めての彼女が出来た途端、サヤは消えました。
その彼女とは順調に交際を続けましたが、1年記念日の前日、ブレーキの壊れたトラックに轢かれて亡くなりました。きちんと整備された新しいトラックのブレーキが、なぜか効かなくなっていたそうです。
それから、サヤはまた私の前に姿を現わすようになりました。寂しかったのか、以前より距離が近くなったように感じます。
ある時からサヤはふっくらしてきて、少しお腹が出てき始めました。お腹はみるみる膨らんでいきます。
……よく考えてみると、朝起きたらパンツが下げられていて、サヤのイタズラか?と思った事が何度かありました。あぁ、なるほど、という感じです。
今だって背後からこの文章を覗き込みながら、サヤは満足気に微笑んでいます。
私にそっくりの子供をあやしながら。
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