バックバレ

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バックバレ

「ゆっくり10数えてから、目を開けるのよ」 小学生の頃、近所の仲良しな子達でよくかくれんぼをした。 ジャンケンで負けて鬼になるのは、決まってコウタ。 いつも誰も見つけられないコウタ。 みんなを探してキョロキョロし泣きべそをかくコウタに 決まって私はわざと見つけられるように頭を出してみせた。 わざと見つけられてからは、 「わたしも一緒にさがしてあげる。だから泣かないで」と半なきのコウタの背中をさすり慰めたものだ。 あれから、月日は流れ私もコウタも高校生になった。 泣き虫コウタは、どこへやら。 今では、学校は同じだがクラスも違うし、当然かくれんぼもしない。     私より背も低かった泣き虫コウタ。 それなのに、 今では、背も高くなり大勢の女子にチヤホヤされてイケメンだとか言われている。 昔は、あんなに小さくて可愛かったのに。 「よっ、相変わらずしけた面だな」 背中を思い切り叩かれて前のめりになった私。 学校帰りの近所の歩道。 「ちょっと!痛いってば」 「おーわりいな、昔、かくれんぼしたとき、お前に良く叩かれてたから」 「叩く?嘘言わないでよ。してないよ、全然」 「お、忘れたのか?久々にやってみるか、かくれんぼ」 「いーけど、2人で?」     
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