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水神は、改めて透をきつく抱き締めた。
触れ合う肌と肌の感触が、心地よかった。透の白くて滑らかな肌は汗ばんでいて、それが二人をより密着させてくれた。
深い、深いキスをする。角度を変えて、お互いに何度も唇をむさぼった。
「んっ……ふ……」
透が甘い息を漏らす。慣れないながらに懸命についていこうとする透が可愛くて仕方なかった。
水神は、透に自分のキスを教えこむようにキスをした。
――――ずっとこのキスだけを求めて欲しい。
独占欲が掻き立てられる。
透の全てが欲しい。透を誰にも渡したくない。
「……不安になんてならなくていいんだよ」
キスの合間にそう囁く。
「……こんなに愛してる」
「んっ……あ……誠司さん……」
「キスだけで、こんなに狂おしい程、好きって気持ちが溢れてくるのに」
水神は唇を離して微笑むと、檜の湯船から桶でお湯をすくい、優しく透の背中を流した。
「……熱くない?」
「あ、はい……ちょうどいいです」
まだキスの余韻が残っているのか、透は涙目のまま恥ずかしそうに背中を丸めた。
水神は、傍らにあったボディソープのポンプを押して手で少し泡立てると、透の背中を手で擦り始めた。
向かい合う格好で背中を擦られているので、抱き締められてるように身体が密着する。透は、恥ずかしいようなくすぐったいような感覚に、目をつむりながら、ますます背中を丸めた。
「……くすぐったい?」
「んっ……すごく……」
「ふふ……そっか」
「……でも、気持ちいい……」
「良かった。……透の肌は綺麗だね。ずっと触っていたい」
水神の手が、透の胸の方にきた。
泡のぬるぬるとした感触が、いつもの愛撫と異なる快感をもたらす。透は身体を小刻みに震わせた。
「……あの、ね、誠司さん……」
「何?」
「……僕だけじゃ、やだ……」
透は、潤んだ目を水神に向けた。そして、透もボディソープのポンプを押して泡立てながら水神の背中をなぞった。
「……あっ、透……」
「……いつも僕だけ気持ちよくなっちゃうから……それじゃ嫌なの……」
初めてと言っていいほど大胆なことをする透に、水神は驚いた。
それと同時に、ゾクゾクするような快感が襲ってきた。
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