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透は、水神のそれを掴んで、手を上下に動かした。ボディソープの泡が、手をスムーズに運んでくれる。
「ああ……」
水神は、快感に酔いしれるように声を漏らして、少し背中を反らせた。
自分のものに与えられる刺激だけが快感をもたらしているのではない。今、透がこうして自分のために手を動かしていること自体に悦びがあり、快感をより強めてくれるのだ。
少しずつ、透の手の動きが早くなる。
水神は自身のものに快感の波が集中して、ゾクゾクしてくるような感覚を覚えた。
けれど、そこでふと透の手が止まる。
「え……」
間もなく、というところで手を止められ、行き場のない快感の波に水神は身体を震わせる。
まさか、透が焦らしたりするのか……?
早く何とかして欲しい。らしくなく、水神は焦れる気持ちを抑えられない。
「……ねぇ……透、意地悪しないでよ……もう限界だからさ……」
そう言いながら、水神は透の手を握った。
「……あ……ごめんなさい!! 意地悪したつもりではなくて……」
透は、言葉の途中で水神のものを口に含んだ。
慣れないぎこちない動きで、水神のものを咥えてチロチロと舌を動かしている。
「ああっ……透……」
その透の姿を見ているだけで、水神は堪らないくらいの悦びを感じた。
透は懸命に舌を動かしていたが、吸いながら激しく上下する動きに変わった。
「駄目だ……もう……出る……!!」
水神は、透の口で絶頂に達した。気付けば、透の頭をぎゅうぎゅうと押さえつけていた。
ジュルジュルと音を立てながら、透が飲み干す音が響いた。
「はぁ……はぁ……透……」
「……あの……気持ち良かったですか?」
自信なさげに涙目でそう尋ねてきた透に、水神はまたゾクゾクしてくる。
透といると、どうにも自分はおかしくなってしまうらしい。
性欲に食い潰されてしまうのではないかと思う程、透が欲しくて欲しくて堪らない。
「……気持ち良すぎるくらいだよ。どこで覚えてきたの、そんなの」
「誠司さんに、いつもしてもらってたから……」
冗談混じりの水神の言葉に、透は照れくさそうに笑った。
「……もう駄目、限界」
「え……?」
「挿れたい」
水神はそう言って、湯船の縁に透の手を掛けさせた。
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