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水神は透の蕾に指を這わせた。
「……せ、誠司さんっっ……!?」
「久しぶりだから、少し慣らすよ」
水神は透の後ろを指でほぐしていく。その度にピクピクと透の身体が小刻みに跳ねる。
徐々に指の本数を増やしていけば、次第にそこは水神の指を容易く咥えこむようになった。
「……そんな、いやっ……」
湯船の縁にしがみつきながら、透は猫のように背中を反らせて水神を見つめる。
その瞳は、恥じらいながらも求めているようにしか見えなかった。涙を溜めた熱のこもった瞳に、水神の我慢はもう限界だった。
「……もう、挿れるよ」
「あっ……」
透の中にずぶりずぶりと入っていく。指を容易く受け入れていた透のそれは、水神のものもあっという間に飲み込んだ。
「やぁぁぁっ……!!」
全てが入ったところで、透は声を上げて激しく身体を仰け反らせた。
「……動くよ」
水神にはもう耐える術もなかった。
優しくしてやる余裕も、甘い台詞を囁く余裕もない。
「……好きだ……透……好きだよ……」
そう言いながら腰を打ちつけることしかできない。
好きだ、好きだと何の捻りもなく、ただひたすら胸の思いを囁くたび、透のそれはよく締まった。
それが堪らなく嬉しくて、水神にはますます余裕がなくなっていくのだ。
水神は透の耳の裏に舌を這わせ、耳たぶを甘噛みした。
透の好きなところ。自分だけが知っている、透の弱いところ――――。
がむしゃらに抱きたい。全てを忘れて、ただ透への愛情をぶつけたい。それだけで――――
「……好きっ……誠司さん……愛してるっ……」
振り返った透の目から涙がこぼれ落ちる。
「……俺も……愛してる……」
動きを止めぬまま、水神は透の唇を奪った。愛しい思いを伝えるべく、深く深く口付ける。
「んん……んふっ……」
透の涙も汗も唾液も、全て残らず飲み込んでしまいたい。
そんなことを言ったら、気持ち悪いと思われてしまうかな。
でも――――それでも、今このときだけは透のことだけを考えていたい。
好きで好きで、どうしようもない。
「……誠司さんっ……もうだめっ……!!」
「……俺もっ……!!」
――――このまま、時が止まってしまえばいいのに。
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