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「……透っ!!」
水神は透の身体を引き寄せ、力強く抱き締めた。
まさか、透からそんな提案があるなんて思いもしなかった。普段からとてつもなく恥ずかしがり屋の透がここまで大胆なことを言うなんて、相当な葛藤があったはずだ。それだけでとてつもなく嬉しい。
「せ、誠司さん……?」
「駄目な訳ないだろ。……ああ……可愛い。可愛すぎるよ、透」
水神は、透を抱き締める腕に力を込めた。
やっぱり、透は世界で一番可愛い。愛おしい。誰にも渡したくない。誰にも見せないよう囲ってしまいたいくらい、好きで好きで堪らない。
――――ああ、愛しい。
水神の頭の中は透のことだけで埋め尽くされていく。こんなに愛しくて仕方ない気持ちが、この世にあるなんて知らなかった。
水神は身体中にゾクゾクと痺れるような感覚を覚えた。
「……んっ……!!」
気が付けば、酷く乱暴に透の小振りな唇を奪っていた。むさぼるように、激しく舌を絡めとる。
透の後頭部を掴んで押さえつけながら、髪が乱れる程に撫で回した。
たぶん、今までしたことがない程の激しいキスだった。
グチャグチャという音と透の甘い吐息が、更に水神を刺激する。
「んっ……はぁっ……ん……」
透が苦しそうに呻いたので、水神は唇を離した。
透は涙目になりながら、半開きになった唇の端からダラダラと唾液を流している。
「……いやらしい顔……」
透のその顔は、水神が隠し持っていたのであろうサディスティックな心に火を付けた。
「ちゃんと見せて、そのエロい顔」
水神がそう言いながら口の端をきゅっとつり上げて、透の眼鏡を外した。
「……み、見ないでください……」
「嫌だよ。ちゃんと見せて」
透が恥ずかしげに身を捩ろうと試みると、水神はそれを抱擁する腕に力をこめて許さなかった。
「せ、いじさん……」
「……もっと乱れさせたい」
水神は再び激しく口付けながら、透のシャツのボタンに手を掛けた。その手の感触に透の身体はビクッと跳ねた。
「……せいじ、さん……僕を抱きたいですか?」
透はシャツを脱がされながら、息も絶え絶えにそんなことを聞いてきた。
「……何言ってるの? 抱きたいよ。だからこうしてる」
水神はそう言いながら、透の首筋に舌を這わせた。
「……あっん……良かった……」
「何で、そんなこと聞くの?」
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