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 夏休みがやってきたというのに、おれはクーラーの効いた部屋で何をすることなく寝そべっていた。  暇だ。暇すぎる。  何もすることがない。  ゲームはやり尽くし、マンガは読み尽くした。  なんと暇すぎて宿題まで終わらせてしまった。  家でできることはもう何もなかった。  外に出たい、友達と遊びたい! せっかくの夏休みなのに!  じたばたと手足を動かしてみたがそれで状況がよくなるわけがなかった。  空には雲ひとつなく、太陽がでかい面で地球を見下ろしていた。    おれたち小学生は、家に閉じ込められていた。  それは外が暑すぎるせいだった。  なんと毎日が40度超え! 不要不急の外出は控えてください、こまめに水分補給をしてください。そんなセリフがあっちこっちからしょっちゅう聞こえた。それでも毎日のように暑さで人が倒れた。そして、この注意してもしきれない暑さに大人はある命令をくだした。  小学生外出禁止令。  この夏休み、おれたちは外で遊ぶ機会を奪われた。  それでおれは、寝そべって暇を持て余していたのだった。
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