4677人が本棚に入れています
本棚に追加
/691ページ
『小林 紫音』はまだ16才になったばかり。
顔はかなりな美人で綺麗顔。黒目が大きく、くっきりとした二重瞼に、びっしりな睫毛。
鼻筋も綺麗に通っていて、薄い唇は綺麗な顔の形を強調していた。
スタイルもかなりいい。
出るところはボンと出ていて、ウエストはかなり絞れている。
お尻は小さいけれど、形良く、腰下から上がっていてスラリとした足が長い。
誰もがすれ違う時に一瞬は目を向けるような子だった。
綺麗系の顔立ちと、スタイル、長い髪の毛で年よりいつも2~3は上に見られていた。
それが良かったのか悪かったのかはわからない。
繁華街をウロウロしていても補導されなかった。
もう家出をして2日経つ。
1日目は朝までやっているビリヤード場で時間を潰し、ファーストフード店に入って、店員に見つからない程度の仮眠を取り、その後はネットカフェのブースで爆睡した。
2日目はナンパされた人と居酒屋で朝方まで一緒に居たが、ナンパした方が酒の飲み過ぎで潰れて寝たので、放ってまたまたネットカフェに入って爆睡した。
財布を見ると、1万円札が1枚だけ。
紫音は自分の携帯を開き、日付を確認してまた閉じた。
………あと、2日!2日なんとか過ごしてからじゃないと帰れない!
早く日曜になって!!
金曜の繁華街はかなり混雑していた。
紫音はしばらくはネットカフェに居たが、年齢で夜の10時までしか居られない。
10~朝5時までは『青少年育成条例』とやらで断られてしまう。
夜の10時前に店を出て、なんとか朝まで時間を潰す場所を探した。
もう、その頃には繁華街は酔っ払いばかりで、派手な看板が眩しいほどになっていた。
ブラブラと繁華街を歩くとナンパを待ったが、だいたいが2人組から3人組なので、数が合わないからか、あまりされない。
しばらく歩いて疲れたので、繁華街の真ん中にはある広場のオブジェの横に座った。
「なにしてんの?」
と、不意に声をかけられて顔を上げると、若いお兄さん。
………ホストかな?でもなんか違う感じ。
スーツを着てはいるが、そのお兄さんはなんだか高そうなスーツを着ていた。
会社員にはどうしても見えない。
「なんですか?」
と、とりあえず返事をした。
最初のコメントを投稿しよう!