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浅い僅かな眠りのあと目覚める。
自分の命に自信がなくても腹は減る。
朝日の入らない薄暗い狭い部屋の中から、啓蟄で蠢きだした昆虫のように僕は太陽の元に出る。
眩しすぎる社会は、同時に厳しく冷たく、その光に慣れないものを拒む。
それでも生きている限り腹は減り、それを満たすためだけに働く。
何年も何年もそんなループを繰り返す僕はなぜ生きているのだろう。
もしここで死んだら僕の屍は・・・。
生活と共に、繰り返す思考もループ。
何年も、何年も。
恐らく命尽きるまで。
何年も、何年も。
それが多分、僕の未来。
明日から、新しい現場に行く。
多分、2ヶ月くらい。次は朝から。
炎天下でただ立っているだけの仕事は、僕じゃなくても誰にでも出来ることだ。
僕は時間を売り、飯を食う。
ただ意味がわからない生を維持するために。
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