*one-sided love*

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「ごめんっ待った?」 久しぶりに息を切らせて走った。 八月の日差しは厳しい。 駅前の広場の時計は午後二時を指している。 学生時代の体育の授業を思い出すようなわき腹の痛みに、額から流れ落ちる汗は止まらない。 「おー!ってうわっお前、汗かきすぎてTシャツ透けてんぞ」 ギョッとした顔でわたしの背後にまわり込む彼は、大学時代同じサークルだった佐倉公輝(さくらこうき)。 飲料メーカーの営業をしていて、会うのはGWにあったサークルの飲み会以来。 当時はそんなに仲のいい存在ではなかったけれど、今ではこうして二人で出かけたりもする。
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